
仕事の連絡にLINEを使っている方は多いのではないでしょうか。そして、休みの日でも「ちょっと連絡するだけなら……」と、つい業務連絡をしてしまうことがあるかもしれません。しかし、休みの日にLINEで仕事の連絡をすると、労働基準法違反やパワハラとみなされる可能性があります。
本記事では、休みの日にLINEで仕事の連絡をする問題点、休みの日に連絡をする際の注意点やルールを解説します。また、LINEに代わるツールも紹介しますので参考にしてください。
休みの日にLINEで仕事の連絡をしてもよいのか

休みの日の業務連絡は原則として控えるべきです。労働基準法では会社や店舗など事業場が休みの日は「休日」とされ、従業員が仕事をする義務はありません。
実際に作業をしていなくても、連絡に対して応答することは「会社の指揮命令下に置かれている時間」とされるため、労働時間とみなされます。つまり、休みの日に仕事の依頼や連絡に対して答える義務はありません。
特に、休みの日に「必ず返信してほしい」などと即レスを求めたり、業務命令を行なったりすることは、労働時間外に無理に労働を強いる行為として、労働基準法違反やパワハラに該当する可能性が高くなります。
休日に業務をさせるのであれば、36協定を締結したうえで休日出勤にする必要があります。休みの日にLINEで業務連絡を行なうこと自体は違法ではありませんが、即レスを求めたり、業務命令をしたりすることは避けましょう。
休みの日に仕事の連絡をすることの問題点

そもそも、休みの日に仕事の連絡をするとどのような問題が起きるのでしょうか。問題点を3点紹介します。
従業員に負担がかかる
休日は従業員にとって疲れた心身を休めるためのものです。それなのに職場から連絡があると強いストレスを感じるでしょう。
特に、休みの日に職場から頻繁に連絡があるような環境だと、いつ仕事の連絡が来るのだろうかと始終気になり、心が休まらなくなります。その結果、従業員にストレスが蓄積してうつ病など精神的な病気を患ったり、最悪のケースでは過労死や自殺につながったりするなど、深刻な問題に至る可能性があります。
労働基準法違反になる可能性がある
フランスやイタリアでは、時間外の業務連絡を拒否する権利が法律で認められています。一方、日本の労働基準法では、拒否権は明記されておらず、業務時間外の連絡も禁止されていません。
しかし、業務時間外の連絡が労働基準法上の問題につながりやすいことは確かです。即レスを求めたり、業務命令をしたりする場合は時間外労働とみなされる場合が多く、給与や残業手当を支払わなければ、労働基準法違反になるからです。
パワハラとみなされることがある
休みの日に業務連絡を強制したり、即レスを求めたりする行為はパワハラ(パワーハラスメント)だとみなされる可能性もあります。厚生労働省の定義によるとパワハラは以下の3条件をすべて満たすものを指します。
- 優越的な関係を背景とした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えている
- 労働者の就業環境が害される
例えば、休日に、上司が部下に対して「早く返事をしろ」「返事をしないと問題にする」「徹夜してでも必ずやっておけ」など威圧的なメッセージをLINEで送った場合は、上記の3条件にあてはまり、パワハラと判断される可能性が高いでしょう。
休みの日に仕事の連絡をする際の注意点・ルール

休みの日に仕事の連絡をすると問題になる可能性があるものの、やむを得ず連絡をしなければならない場合もあるでしょう。ここでは問題を防ぐための注意点やルールを解説します。
不要な連絡は控える
原則として休日の連絡は控えるべきです。休みの日に連絡するか迷ったときは、必要性や緊急性を検討して、休み明けでは間に合わない場合のみ連絡しましょう。また、連絡の際は必要不可欠な情報のみを簡潔に伝えて、相手の時間を奪わないようにすることも大切です。
休みの日に何度も連絡があると、従業員は精神的なプレッシャーを感じて、休息が取れなくなってしまう可能性があるため、頻繁な連絡は避けるようにします。
事前にルールを設ける
休みの日の連絡に関するルールやガイドラインを事前に決めておくと、トラブルを防げます。例えば、以下のルールが考えられます。
- 休みの日に業務連絡ができるのは緊急の場合のみ
- 月に〇回、1日に〇回など時間外の連絡回数に制限を設ける
- シフト変更や急な人員配置の調整など、翌日の業務に大きな影響が出る場合に限る
「緊急」や「重要」の基準も決めておくと、よりルールが明確になります。例えば、顧客に迷惑がかかる場合や、安全や健康にかかわる重大なトラブルなど、具体的な事例をあらかじめ社内で定義しておくことで、不要不急の連絡を減らせます。
また、ルールを設定しても、ルール自体に問題があるケースもあるでしょう。せっかく作ったルールが法律違反にならないように、労働に関するルールを作るのであれば、専門家である社労士などに相談すると安心です。
最適な連絡方法を選ぶ
休みの日の連絡にはLINEを使ってしまいがちですが、注意が必要です。LINEなどプライベートでも使われるツールを使って業務連絡をすると、従業員は仕事とプライベートの区別が難しくなり、ストレスを感じやすくなります。
LINEで頻繁に連絡が来ると、従業員はプレッシャーを感じて労働時間外でも仕事に追われている気分になり、早期離職される可能性も高くなるでしょう。
また、LINEは退職した従業員の端末に業務情報が残り続けるため、情報漏えいが発生する可能性があります。情報漏えいが発生した場合でも、企業側にはログが残らないため追跡は困難です。ほかにも、アカウントのなりすましが発生するおそれがあるなど、LINEの業務利用はセキュリティー面で問題があります。
プライベートと仕事を区別するには、シフト管理ツールのチャット機能や、業務用のコミュニケーションアプリなどの使用が望ましいでしょう。
業務連絡は専用のコミュニケーションアプリで行なうのがおすすめ

休みの日に限らず、業務連絡はプライベートでも使われるLINEのようなツールではなく、業務用のコミュニケーションアプリを使ったほうがよいでしょう。
バイトルトークは、店長とアルバイト間のやり取りを円滑にするためのコミュニケーションアプリです。LINEのようなコミュニケーション機能はもちろんのこと、管理者によるメンバー管理機能も備えています。
シフト管理がしやすい点もメリットです。従業員の希望を一覧で確認でき、未提出者の把握も簡単にできます。急なシフト変更依頼も全体に依頼できるため、いちいち個別に連絡する必要がありません。
今後は、情報漏えい対策や社内ポータル機能なども開発を予定しています。バイトルトークを使えば、プライベートと仕事をしっかり区別して仕事に集中できるでしょう。トーク履歴を企業の管理下におけるため、情報漏えいやハラスメント対策としても効果的です。
まとめ:業務連絡を個人のLINEを使わず専用アプリで行ない、従業員の負担を軽減しよう!
休みの日に業務連絡を行なうと、労働基準法違反やパワハラに該当する可能性があります。休みの日に連絡する場合は緊急の要件に限るなど、あらかじめルールを決めておくことが大切です。
また、業務連絡でLINEを使うと、プライベートと仕事が分離できないなどさまざまなデメリットがあります。バイトルトークのような業務用の専用アプリを使えば、従業員への負担を軽減できるだけでなく、業務も効率化可能です。現在業務連絡にLINEを使っているのであれば、バイトルトークの導入をぜひご検討ください。
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