入社手続きのチェックリスト！用意すべき書類と手続きの流れ

派遣業界や大量にアルバイト雇用している企業は、オールシーズンで多くのスタッフが入社してくるでしょう。正確な書類の用意や手続きの流れを守らないと、トラブルや企業のマイナスイメージにもつながりかねません。

あらかじめ用意する書類や手続きのチェックリストを作っておくことで、業務の効率を格段にアップさせることができます。気持ち良く新しい社員を迎えるために、今回は、入社手続きの準備～入社までに必要な書類や手続きの内容・注意点について順番に解説していきます。

入社時に準備する書類

入社手続きを行う際に事前に準備する書類として、「会社が用意するもの」と「新入社員に依頼するもの」を分けて説明していきます。チェックリスト形式なので、実際に確認しながら用意していくと良いでしょう。

会社が用意しておくもの

まず、会社が用意していくものは次の書類です。会社独自に誓約書を書かせたいことがあれば漏れなく確認して下記と同時に用意しておくと良いです。

書類によっては、「入社してから〇日以内」や「最初の給料日から〇日以内」に提出しなければならないなどと決まっているものもあります。入社前に渡すもの、入社直後に渡すものなど分けて整理しておくのがおすすめです。

提出先も、ハローワークや年金事務所など書類によってバラバラです。提出期日も含めてこのあと解説していきますので、早め早めの行動を心がけましょう。

社員が用意するもの

新入社員に用意してもらうものは次の書類です。判子や年金手帳の準備など漏れないように事前に通知しておき、当日全て記入をしてもらえるようにしましょう。

中途入社の場合、雇用保険被保険者証と源泉徴収票は前職で受け取っておく書類です。特に、源泉徴収票は年内に転職した場合は年末調整をしてもらう必要があるため、かならず取り寄せて控えておくようにしましょう。

入社手続きの流れ＆チェックリスト

書類をすべて用意したら、実際の流れについても次のプロセスに分けて解説していきます。

手順と提出書類を照らし合わせながら、確実に進めていきましょう。

法定三帳簿の作成

法定三帳簿とは、3つの帳簿をあわせた名前のことを指しています。

労働者名簿とは、氏名や住所などの基本的なパーソナルデータと、新入社員を雇った日・退職したら退職した日などを控えておく帳簿です。

賃金台帳とは労働基準法108条で義務付けられている帳簿です。アルバイトや正社員などの雇用形態を問わず、労働条件・賃金条件を細かく控えておくものです。賃金の計算期間、労働日数や時間、時間外・休日・深夜の労働時間などが記載項目とされます。

出勤簿とは、出勤日・労働日数、業務の開始/終了時刻、休憩時間などの出勤内容の詳細を記した名簿です。

特に様式の指定がないことも特徴なので、自社のフォーマットに整えて用意しておきましょう。

社会保険

社会保険のうち、健康保険と厚生年金の資格取得手続きは、新入社員が入ってから5日以内に行う必要があります。期限が早いためしっかりと準備しておき、スケジュール管理には気をつけてください。

書類を記入してもらった後、年金事務局に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出する流れとなります。提出が完了すれば、後日協会けんぽから郵送で保険証が送られてきますので、新入社員に渡してあげましょう。

また、パートタイマーやアルバイトでも、1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が同じ事業所の一般従業員の4分の3以上の場合や賃金が月額8万8,000円以上のスタッフは加入の義務があります。試用期間であっても加入する必要があるため、漏れなく対応しましょう。

ちなみに、社会保険に加入しなくても良い社員とは、次の条件で働く労働者にあたります。念のため併せてチェックしておきましょう。

雇用保険

雇用保険は、入社した翌月10日までに資格取得手続きを行う必要があります。ハローワークへ、記入済みの雇用保険被保険者資格取得届を提出しましょう。

ハローワークにはサイト版があり、企業のマイページ登録ができますので、現地に行けない場合はネット上で提出を完結させることも可能です。こちらも提出から数日後に雇用保険被保険者証が郵送されてきますので、忘れず新入社員に渡してあげましょう。

たまに会社で管理していることもあるようですが、雇用保険被保険者証はハローワークから、会社ではなく社員に対して発行されているものになります。会社で管理せずに本人に渡すのが推奨されているので気をつけてください。

税金関係

住民税は前年の収入で納税金額が変動し、納税方法は2つあります。「普通徴収」という振込用紙が自宅に届いて自分で振り込む方法と、「特別徴収」という給与から天引きされる納税方法です。

これには切り替えの申請が必要となりますので、忘れずに行ってください。もしも事情があり、普通徴収を希望された場合は、切り替えは必要なくなります。

備品チェック・支給

続いて、新入社員の使用する備品の確認を行っておきましょう。

業種や職種にもよりますが、イヤホンや筆記用具など備品として支給している小物アイテムがあれば同時に確認すると良いです。

備品がないと、スムーズに業務が進まないことも起こり得ます。新入社員は研修からスタートすることも多いため、足りないと気がついたものはその間に取り寄せておきましょう。

備品の管理についても誓約書を用意しても良いでしょう。紛失や破損時にトラブルとならないようパソコンの使用ルールや、弁償の有無などについて事前に会社で決めておくようにするのがおすすめです。

入社手続きの際の注意点

最後に、入社手続きの際の注意点を2つお伝えしておきましょう。

書類提出期限を把握しておく

各手順の際に説明したように、それぞれの書類には提出期限が設けられています。入社から5日以内に提出するなどスケジュール管理をきちんとしておくことが重要です。

また、新入社員が前職からもらうはずの書類を忘れてしまっているケースや、保証人の記入に時間がかかるようなケースでは書類の用意に時間がかかる可能性があります。事前に取り寄せの依頼をしておくなり、早めに郵送物を送っておくなりしてギリギリにならないようにしましょう。

万が一提出書類に不備があればやり直しの時間を要してしまったり、労働局から指導が入ったりする場合もあります。スケジュールに余裕を持たせてチェックする時間も持たせるようにしてください。

保険証の交付が間に合わないことがある

雇用から保険証が届くまでに、新入社員が病気になってしまった場合、交付が間に合わないというケースもまれにあります。提出から5日くらいで新しい健康保険証が届くのですが、もしその間病院にかかった時は自費診療ですべて立て替えてもらう必要があります。

後から保険診療分を請求してもらう形になるため、新入社員にそのリスクを先に伝えておきましょう。一時的に費用が大きくかかる可能性があるため、十分気を付ける必要があります。

セキュリティ体制を整える

紙面で書類を回収している会社の場合、管理の方法に注意する必要があります。非常に重要な個人情報の書類が多いため、情報漏洩につながらないよう十分に気をつけましょう。

鍵のかかる場所に保管し、取り扱う権限を持っている人は慎重に決めてください。自社のセキュリティに自信がないという企業は、一括管理システムを導入することもおすすめです。

手続き自体もシンプルでスピーディになり、作業効率も上がるだけではなく、安心して管理することができるセキュリティ機能がついているツールを選ぶのが良いです。紛失や記入漏れ、不備などの心配がなく、安全性の高いシステムも多く存在しています。

月額の費用はかかってしまうものの、管理する労力やリスクと比較してもツールに任せることをおすすめします。

まとめ

一回に新しく入るスタッフが多いと、その分手続きの量が多くなるため人事・労務管理の負担が重くなってしまいます。間違いの許されない慎重な業務だからこそ、ツールに任せることで一気に確実性と効率があがります。

いまだに紙面で情報を回収している企業は、当社ディップ株式会社が提供する「人事労務コボット」のような労務の一括管理システムの導入をぜひ検討してみてください。

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