テレワークは業務の幅を広げますが、その一方でコミュニケーション不足の原因にもなっています。
急速にテレワーク化を進めた結果、オンラインでのコミュニケーションの取り方がわからず悩む企業は珍しくありません。
本記事では、テレワークによってコミュニケーションが不足する理由や、コミュニケーション不足に対する具体的な対応方法などについて解説していきます。
テレワークでコミュニケーション不足が起こる4つの原因
新型コロナ感染症の影響や働き方の多様化によって、テレワークは増加しました。
テレワークにはメリットも多々ありますが、無視できないデメリットも当然存在します。
テレワークによる大きな弊害として取り上げられるものの一つは、コミュニケーション不足です。
この項目では、テレワークによってコミュニケーション不足が起こるのは何故なのかを解説します。
原因1.コミュニケーションの機会そのものが減っている
原因の一つは、コミュニケーションの機会そのものが減っていることです。
特に業務内容以外の、褒めたり雑談したりといった日常的なコミュニケーションをとることは難しくなっています。話したいからといってその都度ビデオ通話するわけにもいかず、チャットで記録に残すことにも抵抗が生じてしまうためです。
お互いの忙しさといった状況が確認できないため、連絡をすること自体をためらう人も珍しくありません。
原因2.リアルタイムでのコミュニケーションが難しい
リアルタイムでのコミュニケーションが難しいことも原因の一つです。
全員が出社している状態であればすぐに確認できることでも、テレワークの場合メールやチャットを送って数時間後にようやく確認がとれるという事態は珍しくありません。
例えタイムラグは数分だったとしても、積み重なれば大きな損失になってしまいます。
タイムラグにより生じるストレスも、コミュニケーション量の低下を引き起こしてしまいます。
原因3.コミュニケーションツールに適応できていない
コミュニケーションツールを使いこなせていない場合もあります。
口頭での会話が得意な人でも、文面で考えや感情を伝えることが苦手だったり、ツールの使い方をわかっていなかったりということは少なくありません。
オンラインのやりとりに慣れた若者であっても、ビジネスの場面では勝手が違うためすぐに使いこなせるとは限りません。
こういった人達の場合、口頭であればすぐに伝えられる内容でも、文章にすると作成の時間がかかってしまいます。
原因4.認識が食い違う可能性がある
直接の会話であれば、表情や声のトーンも含めて細かいコミュニケーションを取ることができます。
しかし文面だけで伝達すると、文章の書き方や読み方で細かい認識がずれることがあり、そのずれを修正するのにも手間がかかります。
結果として、細かいずれの積み重ねが大幅な時間ロスに繋がることもあります。
そして自分の意図を伝えられない無力感は、更なるコミュニケーション不足を生みかねません。
テレワークでのコミュニケーション不足が招く3つの問題
テレワークでコミュニケーション不足になると、具体的にはどのような問題が発生するのでしょうか。
この項目では、コミュニケーション不足によって発生する3つの問題について解説します。
問題1.従業員同士の関係構築が難しくなる
コミュニケーションが不足すると、従業員同士の関係構築が難しくなります。
例えば新入社員が入社当初からテレワークを行っていた場合、企業の一員としての実感が薄かったり、質問を聞きにくかったりという状況が続いてしまう可能性があります。
こういった状態になればチームに貢献するといった意識も持ちづらく、仲間同士で助け合うこともしづらいため、モチベーションの低下にも繋がります。
問題2.作業の生産性が低下する可能性がある
コミュニケーション不足による認識のずれが起こると、社員同士のトラブルや伝達ミスが生じます。
当然のことながら、発生したトラブルを解決したり作業の再確認をする必要が生じたりするため、生産性の低下に繋がる恐れがあります。
かといって、認識のずれを防ぐためにテレワークにおける管理を徹底すればそれがストレスの原因になってしまうため、従業員の業務効率が落ちる可能性もあります。
問題3.従業員が人事評価に不満を持つ可能性がある
直接顔を合わせることなく仕事を進めていると、勤務態度や作業進捗などが把握しづらくなり、評価の判断材料が減ってしまいます。
そうなれば、本当は努力・貢献しているにも関わらず適切に評価してもらえないという不満に繋がってしまう恐れがあります。
こういった不満を直接上司に訴える人間も少ないので、直接関わる機会が少ないと、部下の不満に気がつくこと自体が難しくなってしまいます。
テレワークのコミュニケーション不足を解消する4つの対策
テレワークによるコミュニケーション不足を解消するためには、具体的な対策を立てる必要があります。
この項目では、コミュニケーション不足の対策を大別して4つ紹介します。
対策1.テレワークに適したツールを導入する
既存のメール・電話ツールは使いこなしにくい場合があるので、テレワークに適したツールを導入しましょう。 例えば、ビデオ通話ツールを使えば、相手の表情を確認できるため、音声や文面だけでのやりとりよりも細かいコミュニケーションが可能になります。
チャットツールやグループウェア、タスク管理ツールなど職場にあったツールを用いて、コミュニケーションを円滑にし、仕事の管理をしやすくするとよいでしょう。
対策2.コミュニケーションに関するルールを決める
コミュニケーションを円滑にするため、ルールを決めておくのもよい手段です。
以下に、ルールの例をいくつか挙げます。仕事内容や職場の空気に合ったルールを決めましょう。
- 簡単な返事はリアクションボタンでも可とする
- 雑談専用のチャットルームを作る
- 社内のメールやチャットでは挨拶文を省略する
- ビデオ会議による朝会を毎日行う
- 終業時には必ずスケジュールを更新し、共有する
対策3.出社日を設ける
テレワークのみでのコミュニケーション不足解消が難しいのであれば、定期的な出社日を設けるのも有効な手段です。
週に数回、あるいは月に数回など職場や仕事内容に合わせて頻度を決めておくとよいでしょう。
何度も顔を合わせている人間同士であれば、ビデオ通話でもコミュニケーションが円滑になります。
この際、より多くの人間が顔を合わせられるよう、出社日はなるべく共通にしましょう。
対策4.個人面談を定期的に実施する
定期的な個人面談の実施も、コミュニケーション不足の解消に役立ちます。
一対多の状況ではわかりづらい相手の状態や心情も、一対一で話すことで把握しやすくなります。
また、グループ通話やチャットでは伝えづらい相談などを聞く機会にもなります。
こういった場で相手のことをよく知れば、普段のテレワークでも相手を理解しやすくなるでしょう。
テレワークのコミュニケーション不足を解消した企業事例
この項目では、テレワークの導入によるコミュニケーション不足を様々な工夫で解消した事例を紹介します。
成功した実例を参考にして、より具体的で効果的な対策に繋げましょう。
業務外でコミュニケーションの機会を設定した例
株式会社お金の家庭教師は総務省の「テレワーク先駆者百選」にも選ばれた企業です。
役員含めた社員全員が完全在宅勤務を実現している企業ですが、社内報の発行やオンラインランチ会、趣向別・地域別のサークルを形成するなど社員の満足度を上げるための取り組みに力を入れ、リモートワークで発生しがちな社員のエンゲージメント低下を防いでいます。
また、懇親会は半年に一度、オンライン昼食会は月三回、オンライン飲み会は月一回と頻繁に業務外での交流を行い、参加者には飲食代を支給しているそうです。
テレワークにおける社内ルールを制定した例
総務大臣賞を受賞したシックス・アパート株式会社では、テレワークにおける社内ルールを制定しています。
この会社では、お互いの暗黙の了解やその場の空気に頼らず、細かい点まで言葉できちんと伝える、いわゆるローコンテクストのコミュニケーションを心がけています。
前提の部分からきちんとやりとりすることで新入社員や中途採用の社員であっても馴染みやすく、業務についていきやすくなっています。
主語・述語を明確にし、会議の前には必ずドキュメントを用意するようになり、社内外でのコミュニケーションは、テレワーク導入前よりもむしろ活発・濃密になったそうです。
個人面談を実施した例
楽天コミュニケーションズでは、全社員の九割以上が恒常的にテレワークを行っています。
特徴的なのはツールの活用におけるオンとオフの使い分けです。
例えば自宅で待機中の派遣社員の方に、プライベート用として馴染みのあるLINEで業務連絡を送るのは抵抗感を生んでしまうのでMicrosoft Teamsを使う、といった細かい心配りでコミュニケーションの質を高めています。
また、1on1ミーティングにも力を入れており、その範囲は派遣社員にも及んでいます。
これによってコミュニケーション頻度を高めて「パソコンのモニターが小さくて業務効率が上がらない」といった細かい悩みまで把握し、解決に繋げています。
まとめ:テレワークでのコミュニケーション不足解消ならツールの導入がおすすめ!
テレワークでのコミュニケーション不足を解消するには、ルールの制定など具体的な対策が必要です。
まずは、対策の一環としてツールの導入から始めてみるのはいかがでしょうか。
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即日導入も可能で感覚的に利用できるので、是非とも対策の第一歩としてお試しください。